顎のズレ、放っておくとどうなるの?

「左右で噛みやすさが違う」「前歯で物を噛めたことがない」「写真を撮ると顔が歪んで見える」「あごの音が気になる」――これらの症状、実は“顎のズレ”が原因かもしれません。
見た目だけでなく、体全体に影響することもある顎のズレ。今回は、放置するとどうなるのか、矯正治療によって得られるメリットについて解説します。


顎のズレとは?

顎のズレとは、上下・左右のあごの位置関係が正常な位置から外れている状態を指します。よく見られるのが以下の3タイプです:

  • 左右非対称(顔が曲がって見える)
  • 下あごが前に出ている(反対咬合)
  • 上あごが前に出ている(出っ歯)

成長期のクセや口呼吸、頬杖、歯並びの不正などが原因で、骨格のズレが生じることがあります。大人になってから気づく方も多いですが、実は小学生の頃からゆっくり進行しているケースもあります。


放っておくとどうなるの?

① 顎関節症のリスクが高まる

顎のズレにより噛み合わせが不安定になると、あごの関節に負担がかかります。これが進行すると、口が開けにくい、顎が痛い、音が鳴るなどの「顎関節症」につながります。

② 顔のゆがみが目立つように

顎の骨格がズレていると、左右の顔のバランスが崩れ、顔が曲がって見えることがあります。また成長期に放置すると骨格がそのまま固定されたり、ゆがみがひどくなることがあり、大人になってから治すのが難しくなることも。

③ 食事や発音に支障が出る

噛み合わせが悪いことで食べ物がしっかり噛めず、消化器官への負担も大きくなります。また、「さ行」「た行」などの発音が不明瞭になることもあります。

④ 肩こり・頭痛・姿勢の悪化

顎のズレは、首や肩、背骨のバランスにも影響を及ぼすことがあります。その結果、慢性的な肩こりや頭痛、猫背などを引き起こすことも。


矯正で整えるメリット

◎ 噛み合わせの安定

矯正治療によって正しい位置に歯を並べ、顎のバランスを整えることで、噛む力を均等に分散できるようになります。これにより、顎関節への負担も軽減します。

◎ 見た目の改善(フェイスラインが整う)

顎のズレが改善されることで、左右対称のバランスの良い顔立ちに近づけることができます。また、前後的なずれの場合、横顔のラインが大きく変わる効果が得られます。そのため、写真写りが変わった!という患者さんの声もよくあります。

◎ 発音・食事がスムーズに

前歯でしっかり噛める、奥歯でバランスよく咀嚼できる、といった「当たり前」が実現できます。よく言われるのは、おにぎりが前歯で咬みきれるとか麺類が咬めるようになったとかがあります。また、発音もクリアになり、会話にも自信が持てるようになります。

◎ 自信がつく・笑顔が増える

顔のゆがみやコンプレックスが減ることで、笑顔に自信を持てるようになります。人と話すときや写真に写るときのストレスも減少し、日常生活が前向きに変わります。


子どもの場合、早期治療がカギ

成長期のお子さまの場合、骨格がまだ柔らかいため、顎の位置を自然なかたちで整える治療が可能です。小学生〜中学生の間に治療を始めることで、将来的な手術の回避や、顔の非対称の予防にもつながります。


大人でも治療は可能?

もちろん可能です。大人の場合は成長が終わっているため骨格自体を動かすには限界がありますが、歯列の調整や、マウスピースと併用した矯正治療により顎の誘導でバランスを整えることができます。必要に応じて顎の手術を併用するケースもありますが、患者様のご希望を聞きながら幅広い治療提案が可能です。


まとめ

顎のズレは、見た目だけでなく、顎関節や姿勢、日常生活の快適さにも大きく影響を与えるものです。「少しズレてるかも?」と感じたら、それは矯正治療を検討するタイミングかもしれません。

当院では、精密な検査をもとに、お一人おひとりに合わせた治療プランをご提案いたします。まずはお気軽に矯正相談へお越しください。

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