夏に冷たいものがしみる…それ、本当に冷たいものが原因ですか?~知覚過敏の本当の原因と矯正治療中に気を付けたいポイント~
梅雨が明け毎日暑いが続いていますね。今年から最高気温が40℃以上となる日を「酷暑日」と指定されましたが、
今年は何回酷暑日になるかと思うと考えるだけでも恐ろしいですね。
さて、これだけ暑い日が続くと、アイスクリームやかき氷、冷たいジュース、キンキンに冷えたお茶などを楽しむ機会が増えます。
その一方で、
「アイスを食べたら歯がキーンとしみた」
「冷たい水を飲むだけでも痛い」
「去年までは何ともなかったのに急にしみるようになった」
という経験をされる方も少なくありません。

実際に夏になると、「歯がしみる」というご相談は増える傾向があります。
しかし、多くの方が勘違いされていることがあります。
それは、「冷たいものを食べ過ぎたから知覚過敏になった」というわけではないということです。
実は、冷たい食べ物は知覚過敏の原因ではなく、すでに起こっていた歯の変化を気付かせてくれる"きっかけ"に過ぎません。
今回は、知覚過敏が起こる本当の理由と、矯正治療中に注意したいポイントについて詳しくご紹介します。
知覚過敏の話はこちらもどうぞ
冷たいものは知覚過敏の原因ではなく「刺激」
歯は外側をエナメル質という硬い組織が覆っています。
その内側には象牙質という組織があり、さらにその奥には歯の神経があります。
象牙質には「象牙細管」と呼ばれる細い管が無数にあり、ここを刺激が通ることで神経に伝わり、「キーン」とした痛みを感じます。
つまり、冷たいアイスや飲み物は原因ではなく、露出した象牙質を刺激しているだけなのです。
そのため、
「昨日アイスを食べたから知覚過敏になった」
というより、
「以前から歯がしみやすい状態になっていて、アイスで初めて気付いた」
というケースがほとんどです。
知覚過敏を引き起こす本当の原因
① 強すぎる歯磨き
毎日頑張って歯磨きをしている方ほど注意が必要です。
ゴシゴシと力を入れて磨く習慣は、歯ぐきを傷つけるだけでなく、歯の根元を少しずつ削ってしまいます。
「しっかり磨く」ことと「強く磨く」ことは違います。
やさしい力で丁寧に磨くことが、歯を守る秘訣です。
② 歯ぎしり・食いしばり
意外と多い原因が歯ぎしりや食いしばりです。
寝ている間だけでなく、仕事中やスマートフォンを見ている時、運転中などにも無意識に食いしばっている方は少なくありません。
強い力が繰り返しかかることで歯の根元に負担が集中し、小さな欠けやヒビが生じることがあります。
これが知覚過敏につながることもあります。
③ 歯ぐきが下がる
年齢とともに歯ぐきは少しずつ下がります。
また、歯周病でも歯ぐきは後退します。
歯の根元にはエナメル質がないため、露出すると刺激を受けやすくなり、知覚過敏が起こりやすくなります。
④ 酸性飲料やスポーツドリンク
夏はスポーツドリンクや炭酸飲料を飲む機会が増えます。
これらは酸性度が高く、長時間にわたって少しずつ飲み続けると、歯の表面が溶ける「酸蝕症(さんしょくしょう)」の原因になります。
特に運動中や仕事中にダラダラ飲み続ける習慣は注意が必要です。
飲んだ後は水やお茶を飲んで口の中をリセットすることをおすすめします。
⑤ ホワイトニング
ホワイトニング後に一時的に歯がしみることがあります。
通常は数日で落ち着きますが、もともと知覚過敏がある方は症状が強く出ることがあります。
矯正治療中は知覚過敏になりやすい?
矯正治療中の患者さんからも
「最近冷たいものがしみます。」
というご相談をいただくことがあります。
矯正治療そのものが知覚過敏を起こすわけではありませんが、一時的に歯の神経が刺激を受けやすくなることがあります。
歯が動いている時期には神経が敏感になるため、一時的に冷たいものがしみる場合があります。
多くは歯が安定すると改善していきます。
マウスピース矯正でも注意
マウスピース矯正では歯が覆われているため安心と思われがちですが、実は注意点もあります。
マウスピースを装着すると無意識に食いしばる方がいます。
その結果、歯に大きな力がかかり、知覚過敏が出ることがあります。
また、アタッチメントの周囲は磨き残しが起こりやすく、歯ぐきに炎症が起きると歯ぐきが下がりやすくなることもあります。
矯正治療中こそ、毎日のセルフケアが重要です。
ワイヤー矯正でも一時的にしみることがあります
ワイヤー交換後は歯が動き始めるため、一時的に神経が敏感になることがあります。
冷たい水やアイスでしみる場合もありますが、多くは数日から1週間程度で改善します。
もし症状が長く続く場合は、虫歯や歯のヒビ、詰め物の不具合など別の原因が隠れている可能性もあるため、歯科医院で確認してもらいましょう。
今日からできる知覚過敏予防
知覚過敏を防ぐためには、毎日の生活習慣を少し見直すだけでも効果があります。
・歯ブラシはやわらかめ〜普通を選ぶ
・ゴシゴシ磨かず軽い力で磨く
・知覚過敏用歯磨き粉を継続して使う
・スポーツドリンクを長時間飲み続けない
・食いしばりを意識して減らす
・歯ぎしりがある方はナイトガードを検討する
・定期的な歯科検診とクリーニングを受ける
「しみるだけだから大丈夫」は危険です
知覚過敏だと思っていた症状が、実は虫歯や歯のヒビだったというケースは珍しくありません。
特に、
- 温かいものでもしみる
- 何もしなくてもズキズキ痛む
- 痛みが長時間続く
- 症状がどんどん強くなっている
このような場合は、知覚過敏だけではない可能性があります。
早めに歯科医院を受診し、原因を確認することが大切です。
まとめ
夏は冷たい食べ物や飲み物を楽しむ機会が増えるため、知覚過敏に気付きやすい季節です。しかし、冷たいものが知覚過敏を引き起こしているわけではありません。
本当の原因は、歯ぐきの後退や歯ぎしり・食いしばり、強すぎる歯磨き、酸性飲料の摂り過ぎなど、日々の生活習慣の積み重ねにあることが多いのです。
矯正治療中の方も、一時的に歯が敏感になることがありますが、多くは自然に改善します。ただし、症状が続く場合は虫歯や歯のヒビなど別の原因が隠れていることもあるため、自己判断せずに歯科医院へご相談ください。
この夏も、美味しいアイスや冷たい飲み物を安心して楽しめるよう、日頃から歯をいたわる習慣を心がけましょう。小さな違和感も、お口からの大切なサインです。早めのケアが、将来の健康な歯を守ることにつながります。
広島市のやまの矯正歯科クリニックでは矯正治療のご相談を随時受け付けております。
歯並びや噛み合わせで気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
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