価格はなぜ上がる?お米と矯正治療の高騰を「需要と供給」で読み解く
■ “お米”も“矯正治療”も、今や高くなっている?
最近、スーパーに行くとコメ不足により「お米が高い」と感じたことはありませんか?
同じように、歯科医院では「矯正治療が高くなった」と言われることも増えてきました。
これらの背景には、共通する「需要と供給」という経済の基本原則が隠れています。

■ 価格を決める“見えない力”──需要と供給
経済学でよく使われる「需要と供給」は、モノやサービスの価格がどう決まるかを説明する重要な概念です。
- 需要(じゅよう)…欲しい人の数や量。
- 供給(きょうきゅう)…提供される量やサービスの数。
欲しい人が多いのに、モノが少ない(供給不足)なら、価格は上がります。
逆に、欲しい人が少ないのに、モノが多い(供給過多)なら、価格は下がります。
■ 米の価格高騰の背景
2024年から2025年にかけて、国内外の天候不順や人手不足、肥料価格の高騰などで米の生産量が減少。
それに加え、コロナ明けで外食需要も回復し、“需要”が上昇。
結果として、一定数のお米が足りず「米の価格は上昇」しています。
■ 矯正治療費が高くなる理由
一方、矯正治療も「需要増」と「供給の限界」に直面しています。
- インフルエンサーやマスク生活の影響で歯並びへの関心度が急増
- 見えにくいマウスピース矯正の認知度が高まり矯正治療のニーズが上がった
- コロナの影響で人手不足になり歯科材料費が高騰している
- 一方で、矯正歯科医の数は急には増えない
このバランスの崩れが、治療費の高騰につながっています。
■ 安価な選択肢には注意が必要
「高いから治療に踏み切れない」「もっと安くならないの?」という声はよく聞きます。
実際に、市場には安価な外国産米や格安マウスピース矯正の存在があります。
中には相場よりも安くていい治療があることもあります。
しかし、価格が安い理由をしっかり確認することが大切です。
安いお米の例:
- 保管状態や品質にばらつきがある
- 味や香りが落ちることも
- 安全性の基準が国内と異なるケースも
安い矯正治療の例:
- 自己判断型のマウスピース矯正:診断や管理がなく、歯を動かしすぎて後戻りや痛みの原因に
- 未熟者による治療計画:噛み合わせや骨格を無視した設計で、顎関節症などのトラブルを招くことも
- 治療後のケアが全くない
■ 最後に:価格には“理由”がある
価格が高いものには、理由があります。
同様に、価格が安いものにも、“何かを省略している”という理由があることを忘れてはいけません。
「安いから得」ではなく、「自分にとって安全で納得できるか」を基準に選ぶことが、
健康に関わるものではとくに重要です。判断のミスが後悔につながることがあります。
■ 歯並びは、一生の資産
矯正治療は“ただ歯を動かすだけ”ではありません。
噛み合わせや骨格、顔貌のバランス、そして将来の虫歯や歯周病のリスクまでを見据えた「医療」です。
安さだけに目を奪われず、信頼できる矯正歯科医院でしっかり相談することをお勧めします。
当院では熟練した矯正歯科医が責任を持って治療にあたりますので、もし歯並びが気になるようでしたらお気軽に矯正相談を受けてみて下さい。
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